北見にオープンした家具店。
そのブランド立ち上げにおいて、
コンセプトとネーミング開発を手掛けました。

オホーツクエリアでは、
国内外の家具をセレクトしている店は希少。
ただただ流行りの家具を扱うだけでも、
ビジネスとしては成立するのかもしれません。
しかし、そこにとどまるのではなく、
この店の価値観や大切にすることを、
コンセプトやネーミングに落とし込むことで、
長く愛される、かつビジネスとしても持続する
ブランドにできればと考えました。

オーナーへのヒアリングを通して、
浮かび上がってきた家具のセレクト基準は、
「普遍的でずっと長く愛せる、
ゆくゆくはヴィンテージになりうるような家具」
というもの。
それを受けて、
「まだヴィンテージじゃないものを。」
というブランドコンセプトを開発。
名称もそのコンセプトを体現しているほうが、
コミュニケーションが速く、明確になるので、
「BEFORE VINTAGE FURNITURE」
と定めました。

アーコールやカリモクニュースタンダード、
マルニ木工などのセレクトとあわせて展開されるのは、
店名を冠したオリジナル家具。
このオリジナルのあり方も
「まだヴィンテージじゃないものを。」
というコンセプトを念頭に置きながら、
企画製造されています。
また、オーナーの発案で、
ゆくゆくヴィンテージになることを見据えて、
あたかもシリアルナンバーのように
「#1」からはじまる数字を商品名としました。

なお、この仕事に関しては、
クライアントと協議の上、
成果報酬によってフィーが発生する契約としました。
同ブランドの売上・利益に応じて、
フィーが一定期間内で発生するという仕組みです。
クライアントにとっては、
初期投資を抑えたブランディングが可能になります。
かたや、制作者からすると、
当然投下した労働力に対して、
回収できないリスクを負うものの、
「いい言葉をつくって、クライアントのビジネスを良くする」
という非常に真っ当な方向に向かって、
アイディアを考えられると感じました。

 

 

Client:やの組
Production:DEAR GRAMSWITCH
Art director:萱場あすか
Designer:萱場あすか
Photographer:我妻 直樹
Copywriter:東井